2022年12月13日、以下のことが報道されました。
「来季から国内のプロ野球などでも、先発投手が指名打者(DH)を兼務することができる「大谷ルール」を採用することを決めた」
野球のルールがあまりわからない
— さな (@a_solilo) December 13, 2022
これがヤフーニュースとかでも話題になっています。
で、このルールの解説を見ると「先発投手・指名打者・DH」などの用語が出てきます。
こういうのを知っていれば分かりますが、
そもそも「先発投手とか指名打者とかDH」って何?
「先発投手が指名打者(DH)を兼務する」って何?
DHって何?指名打者って何?
— やきゅうじょし! (@dora_fan_60) May 23, 2022
という野球のルールがよく分からない方へ、今回は「大谷ルール」を解説しようと思います!
大谷ルールをもっとわかりやすく① 先発(せんぱつ)投手とは?
試合開始時にスターティングメンバーとして最初に投球する投手のことです。
スターティングメンバーというのは「試合開始から出場する選手たち」のこと。
※スターティングメンバーは「先発メンバー」とか「スタメン」とも言われます。
ということで、「先発投手」というのは「試合開始時から投げる投手」のことです。
「先発」と呼ばれる場合もあります。
そのあとに他の投手へ交代した場合、後を任された投手は「リリーフ」と呼ばれます。
野球の実況などで「今日の先発は〇〇!さァ、第1球を投げました!」というのを聞きますね。
あれはこの投手のことを指しているわけです。
ポイント!
「先発投手」は「試合開始時から投げる投手」のこと
大谷翔平 6年ぶり 日本の打席へ pic.twitter.com/NqvoGpUvZe
— ぽりたそ@6代目 (@realF03) March 6, 2023
大谷ルールをもっとわかりやすく② 指名打者・DH(ディーエイチ)とは?
DHって助っ人外国人枠でしょ?
— こぬてやん2nd Season (@nite2reme2) May 24, 2022
はい!今から説明しますね!
大谷ルールをもっとわかりやすく② 指名打者・DH(ディーエイチ)とは?
もともとの野球のルールでは、先発投手は「打者としても出場する」というものになっていました。
例えば、高校野球では投手も打者として出場します。
高校野球の中継では場内アナウンスで打者の紹介時に「〇番(打者の順番)、ピッチャー〇〇君」というのも聞こえたりします。
打者は1~9番までいます。この中に投手もいるわけです。

これに対して「指名打者」というのは、投手の代わりに打席に立つ打者です。
これを英語でDH(Designated Hitter : 指名された打者)と呼びます。
「指名打者=DH」です。日本語で言うか、英語で言うかの違いだけです。
この選手は守備にはつきません。攻撃の時だけ、打席に立ちます。
📰侍ジャパン🎌
— ベースボールキング⚾🥎 (@BaseballkingJP) March 6, 2023
大谷翔平は「3番・指名打者」で先発
京セラドームでも打撃練習でファン魅了
👉 https://t.co/FSM5nQSzMi
✅ 初スイングで右翼席最上階に放り込むなど、24スイングで6本の柵越え!今日も球場を沸かせました💪#侍ジャパン #WorldBaseballClassic pic.twitter.com/h2XNyugoNx
なので、指名打者(DH)が出場すると、一般的には投手は打席には立ちません。
そして、指名打者(DH)が出場するということは、先発メンバーは10名ということになります。

打者は1~9番までいますが、この中に投手はいない、ということです。
また、投手が交代しても、指名打者(DH)はそのまま試合に出場できます(ココちょっと大事です)。
日本のプロ野球ではパ・リーグでこの制度が導入されていて、セ・リーグでは導入されていません。
ちなみに指名打者(DH)を使うルールは「DH制」と呼ばれます。
ポイント!
・指名打者(DH)とは、投手の代わりに打席に立つ打者のこと。
※つまり、投手とは別の人というのが本来のルール
・指名打者(DH)が出場するということは、先発メンバーは10名ということ。
・投手が交代しても、指名打者(DH)はそのまま試合に出場できる。
・指名打者(DH)を使うルールは「DH制」と呼ばれる。
※この制度は1973年のメジャーリーグでつくられました。
人気が低迷していたア・リーグが試合の得点を増やすために導入したわけです。

大谷選手はDHとして出場。
この日はマウンドには立たず。
大谷ルールをもっとわかりやすく② DH制が導入されているリーグでは必ず指名打者を使うの?
これはどっちでも良いです。
試合前に指名打者(DH)を使わないと申告すれば、9名で試合ができます。
ですが、試合の途中から選手を指名打者にすることはルール上できません。
試合中の途中変更はダメ、ということです。
一方で、試合途中で指名打者(DH)を解除して、選手を守備につかせることはルール上OKです。
DH制が採用されているリーグでは、指名打者(DH)を使うチームが普通です。
指名打者(DH)を使えば試合を有利に進めることができるからです。
ポイント!
・DH制が導入されているリーグでも、指名打者(DH)は使っても使わなくてもよい。
※ただし、使うかどうかは試合前に決めなくてはいけない。途中変更はダメ。
・試合の途中から選手を指名打者(DH)にすることはできない。
・試合途中で指名打者(DH)を解除して、選手を守備につかせることはOK
大谷ルールをもっとわかりやすく③ 「先発投手が指名打者(DH)を兼務する」って何?
結論から言うと大谷ルールとは「先発投手に限り、指名打者(DH)を兼ねて試合に出場できる」という制度。

順番に説明します。
大谷ルールをもっとわかりやすく③そもそも、指名打者(DH)とは投手の代わりに打席に立つ”別の選手”のこと
先ほどの説明のように、指名打者(DH)とは投手の代わりに、打席に立つ”別の選手”を意味します。
このDH制を使うかどうかは、チームが試合前に申告しなければいけません。
このため、DH制が採用された試合では大谷選手のような人は投手として出場すると、打席に立つことはできません。
そこで大谷選手のいるエンゼルスは2021年シーズン、苦肉の策を取ります。
大谷選手が「投手として出る試合」はDH制を使わなかったのです。
※打者としてのみ試合に出る時は、指名打者(DH)として出場しました。
この場合、大谷選手が先発投手として出場し、交代せず最後まで投げ続ければ、特に問題はありません。
しかし、問題なのは途中で投手が交代する場合です。
その場合、大谷選手が打者として試合に出続けるには投手以外の守備につく必要があったのです。
実際に大谷選手にはそういう試合がありました。※下のツイート。投手➡ライトに守備交代
しかしプロの試合で投手交代後、その選手が別の守備につく、というのは負担が大きいのが実情です。
※高校野球などでは、こういうシーンは時折、見られます。
・2番投手で先発出場
— MIN∞ (@MINNE_k_uwcrew) May 12, 2021
・打者では3打数1安打
・投手では7回10K1失点
・降板後に投手からライトに守備交代
これ高校野球だっけ?ww
未だに夢を見てる気分だわ#大谷さん #大谷翔平 #MLB pic.twitter.com/o0CTwehCmz
大谷ルールをもっとわかりやすく③この状態をクリアするためにつくられた制度。通称「大谷ルール」
そこで、「大谷ルール」が登場するわけです。
先ほど結論として述べた「先発投手に限り、指名打者(DH)を兼ねて試合に出場できる」という制度です。
2022年シーズンからメジャーリーグで採用されました。
この制度を採用すれば、先発投手が降板後も、指名打者(DH)として出場を続けることができるわけです。
また、指名打者(DH)として代打を出されても、その後も投手としては出場を続けられます。
大谷選手のような二刀流の選手に対応できるようにするためのルールです。
このため、通称「大谷ルール」というわけです。制度の正式名称ではありません。
この制度の導入によって、大谷選手の活躍シーンが広がったのは私たちがニュースで知る通りです。
【発表】
— Full-Count MLB取材班 (@fullcountmlbc2) December 6, 2022
エンゼルス・大谷翔平選手が「オールMLBチーム」の先発投手、指名打者の2部門で選出されました🎉
先発投手部門は初のファーストチームで選出😵
指名打者部門はセカンドチームで選ばれました😵https://t.co/IbIYlbZ9tk
大谷翔平
— 歯磨き粉 (@nationallionsss) December 7, 2022
[2018]
10G 51.2回 4勝2敗 防3.31 63K
.285 22HR 61打点 OPS.925
※新人王
[2021]
23G 130.1回 9勝2敗 防3.18 156K
.257 46HR 100打点 OPS.965
※ア・リーグMVP(満票)
[2022]
28G 166.0回 15勝9敗 防2.33
.275 34HR 95打点 OPS.875
※日本人規定最優秀防御率(162試合制)
ぶっ壊れ過ぎ。 pic.twitter.com/KRYxDjOPdc
まとめ
いかがでしょうか?
少しでも大谷ルール理解のお手伝いができたら嬉しいです!
野球を見るのがもっと楽しくなります!
大谷選手の活躍のニュースは、私たちをワクワクさせてくれますね!
2023年のWBCにて、日本はこの大谷ルールを実際に大谷選手が使用していました。
その末に世界一奪還を勝ち取ったわけですね!
2023年のWBCは本当に素晴らしい大会でしたね!
特に準々決勝のサヨナラ勝ちと決勝の1点差のゲームは手に汗握る試合で見ごたえ十分でした!
それでは素敵な1日を!ハトポッポでした!
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