最高の教師:ネタバレ感想/考察 2話 覚悟と経験

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【最高の教師】ネタバレ感想/考察 2話:あらすじ

前回の人生で寄り添うことができなかった生徒・鵜久森(うぐもり)に起きていた仕打ちを文字通り“何でもして”暴きだした九条は、教室に一つの変化の兆しを与えた。

しかし、自宅へ帰ると夫・蓮から離婚届を突き付けられてしまう。

理由も分からないまま離婚を受け入れた前回と同じ轍は踏みたくないと思う九条。

今まで鵜久森を無視していた生徒たちが、何事もなかったように笑顔で鵜久森に話しかけてくるのだ。

思い悩む彼女を、突如、目出し帽をかぶった男たちが襲う!彼らの目的とは…!?

一方、3年D組の教室は週明けから様子が一変。

奇妙なほど『普通』な教室の空気…。

そんな中、親の借金に苦しめられている瓜生の『ある瞬間』が気になった九条は家庭訪問と称して瓜生のアパートに乗り込む。

こで九条が見た光景は——— 。

お金の価値、友情の真意を問う、涙の授業が始まる——— 。

【最高の教師】ネタバレ感想/考察:2話について

最高の教師 ネタバレ考察 / 感想:覚悟と経験

私自身、かつて10年間塾講師をしていた経験があるので今回のエピソードは九条先生の行動に共感する部分が大きかったです。

1話で里奈が言っていたことを別のかたちで再度見せられたエピソードでもありました。

ただ生徒に寄りそうだけで、何かが変わるならば苦労はしません。でも、世界を変えたいと本気で思うなら、必要なのは覚悟です。たとえ刺されても、最後の力で絶対に刺し返してやるというくらいの覚悟。(1話より)

ところで、第1話の冒頭で九条里奈の心情がこう表現されていまいた。

いつからだろう。私がこの日に少しの涙も流さなくなったのは。

生徒のために命をかけて死力を尽くす教師。そんな理想を掲げる教育者は、いま何人残っているだろう。

生徒の問題を注意すれば、笑みを浮かべてパワハラだと騒ぎ立てられ…

生徒の悩みに耳を傾ければ、直ちにモラハラと糾弾されるこの時代に…

彼らが教師に期待する役割はもはや、ただ彼らの自由を邪魔せず、卒業の日を迎えさせることだけとなっていた。

今年もイヤになるほど問題が山積した。

だが、私は何もできずにいた。いや、何もせずに…生き抜いた。

教師とは、私とは、いったい何者なのだろうか。

引用:第1話

平たく言うと、何をしても言っても批判される。邪魔者扱いされる。必要とされないことを突き付けられる。

「もういいや」となっていたのが1回目の人生。結果、突き落とされる。

ですが「それでも何とかする」と腹を決めた里奈の姿に誰もが共感を持ったのではないでしょうか。

「言うべきことは言うと決めていますから、黙って聞いていて下さい」

腹を決めて行動すると、生徒も保護者もその迫力を感じ取ります。

だから瓜生陽介と母親は里奈に迫力負けして、家から本気で追い出そうとはしませんでした。

向坂俊二も里奈の依頼に応じて陽介の家に来ました。

彼女の覚悟に裏打ちされた迫力を感じたからからでしょう。

結果、陽介は母に心の底にある思いと怒りをすべてぶつけることができました。

俊二にも現状を知ってもらい、助けを得ることができました。

そしてこの2人は鵜久森に頭を下げて詫びました。

「お前にしたこと、許してもらえるなんて思ってないけど…」ということを言ったうえで頭を下げていることが重要だと思います。

「許してはもらえはしない。でも、謝らせてください」という態度を表明できていることは、ひとつの大人の謝り方に聞こえます。

子供の謝り方はただ「ごめんなさい、ごめんなさい」になるはず。

または、そもそも謝らない。

この2人は大人の階段を上り始めたように見えます。

「容疑者」からは外れることになるのではないでしょうか。

最高の教師 ネタバレ考察 / 感想:何がD組の「ウラ団結力」を生むのか?

このダークなD組の団結力はどこから来るのか?

これは「大人達への復讐」と考えます。

世の中の大人に対する強烈な不信感がD組のマイナスな団結力の源泉かなと。

中心メンバーは家庭環境に問題があると推測できます。

今回のエピソードを例として見ると、瓜生陽介の家庭状況。

彼は母親を許せない立場にいます。

父の話が出てきませんでしたが状況から見て、陽介たちを捨てて去ったのでしょう。

そんな父を許せるわけないし、陽介が稼いできたお金を手にする母の彼氏(?)も許せない。

家でもそんな状況なのに学校に行けば、教師たちのつくった問題児クラス「D組」が待っている。

これで大人を信用しろと言われるほうがむしろ無理な話です。

D組は「胸クソ悪い」感じがしますが、D組をつくった大人のほうがよほど「胸クソ悪い」気がします。

ウサ晴らしの矛先がほしくなるのも当然でしょう。

だから同じ怒りのエネルギーを持つ子供同士ではつながることができる。

※おそらく「同じ思い」は持たず、「とりあえず長いものには巻かれておけば楽だし被害もない。我、関せず」程度の生徒も多いでしょう。

自分たちの状況の悪さは自分たちではなく、大人たちのせい。

だからやり返してやりたい。困る顔を見て優越感にひたりたい。

そんなエネルギーが彼らを団結させる要因のひとつに見えます。

鵜久森叶がひとり、蚊帳の外に置かれ激しく叩かれたのは、おそらく彼女の中身が彼らよりもずっと大人だから。

SNSで話題になったことがきっかけといいますが、理由は何だって良かったように見えます。

「コイツは仲間じゃない」ということをD組中心メンバーが嗅ぎ取った結果ではないでしょうか。

実際、鵜久森叶は瓜生陽介が表情を窓で確認するのに気づくなど、生徒のちょっとした言動とその理由に対する想像力とやさしさを持っています。

角度を変えてみると、中心メンバーは単に自分たちの立場を守りたいだけにも見えます。

精神年齢が大人のクラスメートが増えるとその分、自分たちの居場所が狭くなっていく。

出る杭がいるなら吊るし上げて打てば、見せしめにもできる。

スピンオフ的な位置にあるドラマ「最高の生徒」を見ると別のクラスの状況が分かりますが、他のクラスは別の学校にすら見えます。

違う考えを持った子を理解しようとする空気すらあり、大人に見えます。

いずれにせよ、D組の持つ負のエネルギーの源泉は「大人に対する鬱積(うっせき)した不信感・不満」だと思います。

その結末が「卒業式に九条里奈を突き落とす」という行動。

犯人が云々、よりも「D組の総意」にも見えます。

そこを突き崩し、大人の覚悟を示していく過程が「最高の教師」で1つずつ描かれていくのだと思います。

次に、漣が離婚を切り出した理由を考察します。

最高の教師 ネタバレ考察 / 感想:漣が離婚したい理由

誰が九条里奈を転落させた犯人か、ということと同時に夫の蓮がなぜ離婚したいのかも、気になるところです。

この点も考察してみようと思います。

結論は「里奈という人物が理解できなくなったから」かなと。

1話の冒頭に話を戻します。

「私とはいったい何者なのだろうか」と里奈本人が思っているのだから、共に暮らす夫の蓮が彼女が何者なのかを理解することは難しい気がします。

そしてこのシーンの里奈の表情。無気力にすら見えます。何もかもどうでもいい、という目です。

おそらく里奈は新婚当初は自分の思いを日々語るひとだったのではないかな、と。

そんな会話が日常生活にあれば、漣は妻の内面をよく理解できるでしょう。

しかし、徐々に彼女は自分の思いを語らなくなる。

言葉数が減り、何を考え、感じているのかも読み取れず「自分は誰と一緒に住んでいるのだろう」みたいになっていく。

だから蓮も「ごめんな」しか言えなくなる。本当の理由を言ったところで響かないことを知っているから。

本当の理由を言って「じゃあ、直します。だから離婚は勘弁して」と言われても困る。

もう離婚したい気持ちが固まっているところに理論で切り込まれるとかえって面倒になるということです。

漣の本音にはそういった気持ちが含まれているようにも見えます。

だから、里奈が心の底の本音を語り、「私、離婚したくない」と絞り出すように伝えた時、「どうした里奈?初めて聞いた気がする。里奈のそういう感じの言葉」と、蓮は言ったのではないでしょうか。

おそらく「どうした里奈?」がポイント。

「里奈の中で、今までにないことが起こったのだろう」と蓮が感じているから、この一言が先に来たように聞こえます。

もうひとつ、TVerのディレクターズカット版にも注目です。

蓮がホワイトシチューとライスを食べていることに対して蓮が言います

「いつもホワイト一シチューで白米食べてると”あんた人間じゃない”みたいに言ってくるじゃん」

里奈は「私そんな口汚い言い方しないでしょ」と否定しますが、漣は「するよ。ホワイトシチューの仇みたいな顔して」と。

これは漣の言っていることが本当なのでしょう。

ディレクターズ・カット版とは?

短く言うと、放送時間などの都合上、カットされたシーン等を含めて本編のあとに発表するもの。未公開シーンを含むため監督が描きたかった物事がより強く反映される。

里奈は無意識のうちに漣に辛辣(しんらつ)な言葉をかけているため、里奈が記憶していないのでしょう。

例えば「よくそんなの食べられるよね」と独り言のようにつぶやいてしまうとか。

「1回目の人生」の里奈はそれほど人の気持ちに対して鈍くなっていたという側面もありそうです。

【最高の教師】ネタバレ考察 / 感想 2話:タイトル・サブタイトル

【最高の教師】ネタバレ考察 / 感想:「最高の教師」というタイトル

タイトルも気になります。「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」

まず、「最高の教師」というメインタイトル。

予告編によると、「彼女はなぜ、“最高の教師”にならざるをえなかったのか」と紹介されています。

ドラマ本編でも「何でもする」と生徒に宣言し、1話では鵜久森(うぐもり)へのいじめを監視カメラと盗聴マイクで突き止めました。

そうしなければ生徒も自分も命を失うという信じがたい現実と危機感があったからです。

そしてこう語ります。

「世界を変えようと本気で思うなら、必要なのは覚悟です」

ここから垣間見える九条の人生1周目に見えることは2つあります。

  • 九条里奈は教師として「付かず離れず、無難にふるまう」ことを良しとしている。生徒に興味をそれほど持たないようにしている。 
  • 九条里奈のこの態度に対し、殺意を抱くほど許せない生徒がいる。
  • 殺意を抱くほど、「犯人」は九条里奈に対する期待度が高かった。

現在、分かることはこの3つです。

【最高の教師】ネタバレ考察 / 感想:”私は生徒に■された”について

サブタイトルの「■」が気になりますね。

まず最初にある事実は「九条里奈が殺された」ということ。

だから少なくとも突き落とした生徒から見れば、第1話の時点では彼女は「最高の教師」ではなく、「最悪の教師」。

だから卒業式で突き落とされた九条里奈は「私は生徒に殺された」のであり、犯人から見て彼女は「最悪の教師」という事実が浮き彫りになります。

ということで、「最悪の教師 私は生徒に殺された」が1回目の人生の九条里奈の実像なのでしょう。

そこから物語が進むにつれ彼女がその子にとって「最高の教師」になっていく過程が描かれていくのではないかと思います。

同時進行で「私は生徒に■された」の「■」に当てはまる言葉に対して視聴者の想像する言葉も変化していく…そんな展開になっていくのではないでしょうか。

九条里奈を演じる松岡茉優さんはこう述べています

この作品は私が演じる九条先生が殺されるという場面から始まるのですが、描いていくのは、普段の生活でみんなが感じながらも、目をつぶっているようなこと、一つ一つに向き合っていくドラマになったら、と思っています。

いま学生の方、学生だった大人の皆さんにとっても、ちょっと思い出したくない思い出とか、どうしてあんな事言ってしまったんだろうという言葉とか、そういうものを一緒に昇華していけるドラマになればと思う…

引用「最高の教師」HP

 昇華(しょうか):物事が一段上の状態に高められること。「作品への執念が芸術に―される」

一つ一つに向き合っていくドラマ…一緒に昇華していけるドラマになれば」ということを述べています。

「あのとき、なんでこうしてしまったのだろう」と、心の中で引っ掛かったままの記憶を昇華させて過去のものへと変えていく、ということを言わんとしているように聞こえます。

また、生徒である鵜久森叶(うぐもり かなう)を演じる芦田愛菜さんはこう語っています。

この作品は、私と同じ若い世代の方々にも、その若い世代を経験されてきた大人の方々にも、今まで言って欲しかった、聞きたかった言葉がたくさん詰まっているドラマになっているのではないかなと思います。九条先生の言葉や生徒たち一人一人が悩んで考えて成長していく姿に注目していただきたいです。

引用「最高の教師」HP

「一人一人が悩んで考えて成長していく姿」が見どころでもあるようです。

そうなると、物語の結末は少なくとも「バッドエンド」にはなりにくそうな気がします。

「私は生徒に■された」の「■」は明らかにはされなくとも、プラスの言葉を連想させるようなエンディングになるのではないかと思います。

最高の教師 2話 見逃し配信や再放送について

現在のところ、「最高の教師 私は生徒に■された」再放送の情報はありません。

配信はhuluから視聴可能です。

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※紹介している作品は、2023年7月時点の情報です。現在は配信終了している場合もあり
ますので、詳細は hulu の公式ホームページにてご確認ください。

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