2024年のパリ・オリンピックの前哨戦ともいえるネーションズリーグで、昨年に引き続き宮浦健人選手が活躍を見せています。
2022-23シーズンには、ポーランドのプラスリーガに所属するPSGスタル・ニサでプレー。
2023-24シーズンに移籍した宮浦選手は、フランスのAリーグに所属するパリ・バレーで大きな成功を収めています。
チームの主力オポジットとして活躍し、ほぼ毎試合でMVPに選ばれています。
宮浦健人選手がメディアで注目されるようになったのは、2023年のネーションズリーグから。
昨年のネーションズリーグでの男子日本代表の躍動は、まさに驚異的でした。
東京オリンピックで金メダルのフランスを3-1の逆転劇で打ち破り、世界ランキング1位のブラジルに30年ぶりの勝利(3-2)をもぎ取ります。
その中で輝きを放ち始めたのが宮浦健人選手。
試合に出るやいなや、その実力はすさまじく彼の名前はネット上で話題に。
今回はそんな宮浦選手の性格についてですが、今と昔のギャップがユニークです。
宮浦健人の性格が意外すぎる?
宮浦健人選手の意外すぎな性格について、他の選手の視点から見てみましょう。
他の選手から見た宮浦健人選手の性格
同じく日本代表であり、学生時代から仲良しの村山豪選手は宮浦健人選手については次のように語っています。
「本当にバカ・話していても会話にならない・質問しても違う答えが返ってくる・あほだし、不思議ちゃん・授業中とかもよくわかんないことをしていたり、謎なことをしている」
かなりケチョンケチョンに言われてますね…。
さらに村山選手は宮浦選手を「私生活はすごい陰キャ」とも語り、バレーではすごいのに私生活になると、喋らないので「いるの?」くらいに存在感ないと語っています。
「活舌(かつぜつ)の悪さを直してほしい」とも。
一方で、「バレーではすごい背中で引っ張るタイプって感じ」と称(たた)えています。
バレーで見せる姿と私生活でのギャップがかなり激しいようです。
また、料理が上手とのことで、大学の時に作ったチーズケーキを村山選手が食べたそう。
学生時代の宮浦選手の雰囲気については日本代表のチームメイトである西田有志選手からもボコボコに言われています。
「春高(春の高校バレー)で宮浦さんを見て、めっちゃすっげーなって。まだ宮浦さんが細かった時で、髪の毛もぺしゃんこでイモみたいだった」
ちなみに高校生の頃の宮浦選手は3年時に高校選抜ユースでキャプテン。
高校2年生の全国大会では準優勝を果たしています。
しかも春の高校バレーのポスターのモデルとして選ばれています。
監督から見た宮浦健人選手の性格
早稲田大学時代の松井監督は、当時キャプテンだった宮浦選手について「早稲田の大黒柱。声を出して引っ張ってというタイプではなくて、自分で得点を稼いでついて来いという感じ」と語っています。
言葉ではなく、背中で見せるタイプという雰囲気が伝わってきます。
また、松井監督は宮浦選手について「あれだけコツコツ努力した選手はなかなかいない」と”努力家”としての性格についても語っています。
早稲田の練習はそれほど長くはなく、オフシーズンにはしっかり休みも設定されているとのこと。
しかし、宮浦選手が休み期間を使って、1人で地道なトレーニングを積み重ねる姿を見ていたと言います。
誰かに言われてやるのではなく、自分に必要だと判断して、自ら取り組む。
午前練習を終えて、他のメンバーが帰った後も自分で用意した補食を食べて、午後もずっとトレーニング…
大学の4年間、そんな宮浦選手の姿を見続けていた監督は宮浦選手について
「ああいう姿勢が、間違いなく今にもつながっているんだと思います」
と語っています。
松井監督の話からは「真面目で真摯(しんし)な性格」を絵にかいたような姿が想像されます。
実際にこういった努力が積み重なり、大学では全日本インカレ(大学の全国大会)を4連覇していて、その大きな武器となったのが宮浦選手の攻撃能力だったそうです。
ジェイテクトのフェデリコ監督は「一度も文句を言ったことはないし、いつもチームを優先して動いてくれています」と話しています。
こちらも、あまり言葉数の多いタイプではなさそうな印象を受けますね。
自身ではどう感じているのでしょうか。
宮浦健人選手自身が語る自分の性格
他の選手から「暗い・存在感がない」など言われたことに、宮浦選手自身は「もう見た目の通りです」と認めて(?)います。
「見た目の通り」といってもかっこいい感じですが…
紹介インタビュー等でも自分の性格を「おとなしい」と話しています。
一方で、冬は趣味であるスノボやバスケもするので、意外とアウトドアだとも語っています。
休日の過ごし方は一人で映を観ること。
おすすめはハリーポッター。アニメも好きで「僕のヒーローアカデミア」「東京リベンジャーズ」がお気に入り。
ちなみに宮浦選手が大好きな音楽グループが韓国の女性ユニット「BLACK PINK」。
コロナの自粛期間にライブDVDも買うほどかなりハマったらしく、BLACK PINKについて「一生しゃべってられる」くらい好きとのこと。
他によく聴く音楽はONE OK ROCKの「THE BEGINNING」。
試合前によく聴くそうです。
また、印象的なのが「50年後はどう過ごしたいか?」というインタビューでの回答。
「自然豊かなところでのんびり過ごしたい」と答えていました。穏やかな性格がよく伝わってくる気がします。
自分でも「おとなしい性格」と認めている宮浦選手ですが、大学時代にこんなエピソードがあります。
宮浦健人の「超男前な性格」を感じるエピソード
2020年に世界を襲った新型コロナウイルス。
密集を避ける必要から選手やスタッフが集まる練習やウェイト・トレーニングも各自で行うことに。
練習が再開されてからも、公式戦は次々と中止という事態に。
やっと再開された秋季リーグも、参加校に陽性者が出ると中止。
4連覇のかかった全日本インカレも開催が危ぶまれる状況に陥ります。
早稲田大学4年で主将となり、全日本インカレへの意気込みは、出鼻をくじかれれていました。
【#コロナに負けるな新入生】
— 早スポdiary✴︎ (@wsports_diary) May 31, 2020
男子バレーボール部の宮浦健人主将からメッセージをいただきました✨👏
バレーボール部は全日本インカレ優勝に向けて日々精進しています!#春から早稲田 #早稲田スポーツ#早稲田 #sousupovolleyball pic.twitter.com/3amSgXQmQA
当時副主将だった村山豪選手は全日本インカレへ気合を入れようとしても、大会自体があるかどうかも分からない現実を前に、練習を休むという精神状態になります。
そんな中、気を吐いたのが主将の宮浦選手でした。
松井監督らと行ったミーティングでこう言います。
「自分は4年生として、やるべきことをやります!」
村山選手はこのことを今でも鮮明に覚えていると言います。
「健人が弱音を吐くのは聞いたことがないし、やると言ったらやる。だから僕も、健人が頑張る姿を見ていたらやらなきゃ、と思った」
そして、同じくチームメイトだった中村駿介も、当時の宮浦選手を頼れる存在だったと語っています。
セッターだった中村選手がどこにボールを上げていいか分からない状態に陥り困っていたところに、宮浦選手が声を掛けます。
「どこに(ボールを)上げるかわかんなくなったら、持ってきて」
困惑にはまり込んでいた中、この声に中村選手は救われたと語ります。
これ以降、中村選手は困ったら宮浦選手にボールを上げるように。
これに対し、宮浦選手は必ず得点を決めるということをやってのけます。
「いつも頼れる、でかい背中でした」
そして全日本インカレが開幕。無観客で行われ、全員が検温という厳戒態勢のなかの開催。
主将の宮浦選手を中心に一丸となった早稲田大学は、決勝戦も1セットも落とすことなく、勝利し、全国大会4連覇という偉業を達成します。
しかも最後の1点は宮浦選手が決めるというドラマのようなフィニッシュ。
そのうえMVPにも選出されるという怒涛の活躍を見せました。
自らを「おとなしい性格」と語る宮浦選手ですが、こんなにかっこいい「男前な性格」をはっきりと示す物語が、大学時代にあったんですね。
時が流れ、2023年のネーションズリーグからはさらに意外な姿を見せ始めます。
2023年を境に、宮浦健人の性格に何かが!
ネーションズリーグのブラジル戦でスタメン出場し、勝利の立役者となった宮浦選手。
この試合では、それまでになかっアクションが見られるように。
スパイクを決める度に感情むき出しにして「雄叫び」を上げる姿です。
この姿を見て、解説を務める山村宏太氏(元日本代表キャプテン、現サントリーサンバーズ監督)が
宮浦君って普段、すごく…感情をあまり表に出さない選手なんですけど、もう気持ちが前面に出てきてますよね
と語っています。
この戦いが2023年のネーションズリーグで初のスタメン出場。
ブラジルから30年ぶりの勝利を挙げる大一番で、宮浦選手の中で何かが覚醒したのかもしれませんね!
この2023年のネーションズリーグというのは宮浦選手が初めて海外チームでプレイをしてから間もなくというタイミングでもありました。
宮浦健人の性格が海外移籍で激変?
2022年、日本のジェイテクトSTINGSに所属していた宮浦選手はさらなる活躍と飛躍を求め、バレーボールの最高峰であるポーランドリーグへと渡ります。
これは宮浦選手にとって初めての海外チームでのプレイでもありました。
しかし待っていたのは、試合の出場機会が少ないという現実だったと本人が語っています。
宮浦選手の立場は「2番手の交代要員」。そのうえ、意思疎通の言葉は英語。
大事な場面でコートに出られず、結果を出すまでには至ることができない。
どうにかしてチームに貢献したい思いとは裏腹に、限られる出場機会…
負けん気むき出しで戦うライバルのチームメイトの姿に圧倒され、何度も打ちのめされたと言います。
「何のために行ったのか自問自答していた」
意思を正確に伝えるのにも苦労していたのだとか。
ポーランドで最も大変だったことが何かと問われると、出場機会が少なかったことだと後に語っています。
それでも「絶対に成長して帰国する」という闘志を燃やし、体育館に一番に入り筋力強化トレーニングに励む日々を送りました。
そして帰国後に臨んだのが、先述のネーションズリーグ。
ネーションズリーグの大舞台で世界ランキング1位のブラジル戦でスタメン出場。
次々とスパイクを決め、感情むき出しで雄叫びを上げ、30年ぶりのブラジル戦での勝利を挙げるという大活躍だったわけです。
この性格の変化について、周囲からも自身でも「変化した」と感じているようです。
パリバレーなど海外移籍で宮浦健人の性格は「明るくなった」?!
活躍の舞台を海外に移した宮浦選手ですが、周りの人たちから「海外に行って少し明るくなった」と言われるようになったと、本人が語っています。
これに対して、本人は「自分としてはあまり実感はありません」としながらも「海外のフレンドリーな空気の中で、そういったマインドに代わってきているのかな」とも。
現在所属するフランスのチーム内でのコミュニケーションも英語で取っているそうです。
ポーランドにいた頃よりも英語力が上達したとのことで、「ストレスは減ってきている」と語っています。
海外で結果を出すために、自分の意思を伝えるには英語で積極的に話しかける必要があるのだとも考えられます。
インタビューで宮浦選手は2024年日本代表としての意気込みを聞かれ、こう話しています。
「オリンピックもありますが、まずはネーションズリーグで自分がやってきたことにフォーカスしたいと思います。そこにプラスして、プレーでチームに貢献したいです。プレー以外のところでも貢献出来たらいいなと思っています」
本当に力強い言葉に感じます。
ちなみに2024年のネーションズリーグ、vsキューバ戦でのインタビューがコチラ
Kento is interviewed. pic.twitter.com/IvyEEwsiu3
— Superb 13🐻❄️ (@superbkento) May 24, 2024
インタビュアー:第5セット22対20まで行くとはすごい試合でしたね。今年はすごいスピリットをチームが持ってるようですね。
宮浦健人:私たちはともにプレイすることを心がけています。どうすればいいかをともに探ろうとしてるんです。この大事な試合で勝ててうれしいです。
インタビュアー:多くの交代がある中、今日の試合は勝てましたね。
宮浦健人:交代は多かったですが、誰がコートでプレイするかは問題ではなかったです。
インタビュアー:チームはオリンピックのメダル獲得に向けて進んでいるようですね。
宮浦健人:オリンピックの試合は難しいものになると思いますが、この経験は役に立っています。
インタビュアー:おめでとうございます。素晴らしい試合でした。
堂々とした英語でのインタビューでしたね!
学生時代のチームメイトから「暗い・存在感がない」と言われていた頃に比べると、比べ物にならないほど変化しているのではないでしょうか?
今年はパリ・オリンピックの年。
今や国際的プレイヤーになった「ケント・ミヤウラ選手」の大活躍に注目です!
以上です!ハトポッポでした!
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